展示の浮世絵は、日本橋から京都までの木曽街道(中山道)の宿場絵71図。見どころは彩色の素晴らしさや、高度の彫や刷りもあるが、添えられた解説が面白い。絵と見比べながら読み入ってしまうと時間を忘れる。
錦絵タイトルは洒落、こじつけ、遊び心で・・・・・
会場に足を運ぶと、当時、錦絵を買い求める江戸庶民の教養の高さに感嘆する。現代でいえば、歴史・地理・文学・演劇など包括的な知識がないと、理解できないようなタイトルがついている。
ダジャレと、こじつけ遊びごころなど、落語のなぞとき「何々とかけてなんと解く」のようである。来場者は解説を読んで「なるほど~」となる仕組みになっている。ゆえに宿場風景画とは趣が違うが、図中にコマ絵という枠内に、その宿場の代表的な風景画描かれている。
斉藤文夫コレションとは~
所蔵数は4000点。地元出身の元参議院議員(93)。自宅を改修し「公益社団法人川崎・砂子の里資料館」がある。
国内外に広く知らており、展示実績も豊富で高い評価を受けている。
川崎浮世絵ギャラリーへのアクセス
川崎ターミナルビルの北口に隣接する「タワーリバーク」3F。川崎駅北口改札を右に出て階段左のエレベーターを、2階で降りると正面に大きな案内板がある。京浜急行駅からは川崎駅北口改札に上がるエスカレーター右のビル3F。駅改札から2分でありながら他方面からは分かりにくいのが残念。また作品保護のため照明が暗くなっており、ギャリー入り口もまごつく。
「*川崎・砂子の里資料館」現在は閉館。順次「川崎浮世絵ギャラリー」にて作品を展示。
川崎浮世絵ギャラリー斎藤文夫コレクション https://ukiyo-e.gallery/
八重垣姫 左上の枠内に風景が。各図に描かれる
蕨宿 犬山道の図柄と宿場のなぞ解きは?
浮世絵ギャラリーの上は川崎図書館
売店、マニア垂涎の浮世絵グッズ。
路面からの入り口。川崎駅北側に隣接。
斎藤文夫コレクション。パンフレットより。
ヨーロッパ印象派の画家たちに多大な影響を与えた日本の浮世絵。シンプルで大胆なデフォルメに彼らは驚いた。今回の国芳展もたがわず、大胆な図柄、色彩を充分に楽しめる。昨今有名美術館は入場制限をしつつも大変な賑わいだ。でもここは小規模施設、落ち着いた空間でアートを独り占め。ゆったりと作品に浸れる穴場だ。世界に誇る浮世絵を堪能できます。