「心のバリアフリー」パラコンサート
川崎市では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、「かわさきパラムーブメント」という取り組みを進めている。これは「人々の意識や社会環境のバリアを取り除き誰もが社会参加できる環境を作り出す」ことを理念としている。
そして、誰もが音楽を楽しめるイベント「かわさきパラコンサート」が6月1日にカルッツかわさきホールで開催された。
コンサートを楽しむ
川崎市長のあいさつに続き、ダウン症の書家金澤翔子さんが「飛翔」の文を揮毫(きごう:毛筆で文字を書くこと)すると、1000人以上の会場は、金澤さんの筆の動きにくぎ付けになった。
ヴォーカリスト・パーカッショニストであるモンタナ・キングさんや、シンガーソングライターNOBUさんの歌は、自然に来場者の手拍子を誘い、会場全体が一つになった。
またALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘病を続けながら活動しているコミュニケーションクリエーター武藤将胤さんは「EYE VDJ」を披露した。これは特殊なメガネを用い、目の動きだけで電子機器をコントロールし映像と音楽を同時にプレイするものである。
最後に、二分脊椎症という障害を持ち下半身が不自由な、車いすダンサー神原健太さんは、武藤さんのVDJに合わせ、力強く切れのあるダンスパフォーマンスを演じた。
コンサートが終わって
車いす利用者など障害のある人の来場も多く、「すばらしい」「感動した」「惹きつけられた」と話してくれた。ここでは、まさに、すべての人がお互いを尊重・理解し、多様性を受け入れる「心のバリアフリー」を実現していた。
このイベントは無料で、昨年に続き今回が2回目。市の担当者によると、来年も開催される予定で、観覧者募集など市のホームページで確認できるとのこと。