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「救命のリレー」 市民でつなぐ命のバトン

取材日 2016年07月29日(金)

胸骨圧迫法(心臓マッサージ)の体験

胸骨圧迫法(心臓マッサージ)の体験

胸骨圧迫とAEDによる救命措置の体験

胸骨圧迫とAEDによる救命措置の体験

名刺大の終了証(裏面には講習の種類と 修了者の名前などが記載されている)

名刺大の終了証(裏面には講習の種類と 修了者の名前などが記載されている)

  市民救命士の養成

 川崎市消防局では救急患者の救命率の向上を目指して一家に一人、心肺蘇生法や止血法などの応急手当の実技を身につけた人、いわば「市民救命士」の養成を積極的に行っている。

  多摩消防署で開催された、市民救命士を養成する普通救命講習1に参加した。

 事前申し込みによる会社員・主婦・シニアなど20数名が受講。講習時間は3時間。

  

主な内容は①心肺蘇生の手順 (胸骨圧迫・人工呼吸)②AEDの使用手順 ③気道異物の除去法 ④止血法 などだ 。前半は座学による説明。 後半は3つのグループに分かれ、人形を使っての救命措置(心肺蘇生とAEDの使用)を実体験した。終了者には、市民救命士・普通救命講習修了証が発行される。

 

救命のリレー(救命の連鎖)

 ①突然倒れた人や、反応のない人をみたら、まず心停止を疑う。心臓や呼吸が止まっている可能性を認識したら、まず大声で叫んで応援を呼び、119番通報を行うことにより、AEDや救急車が少しでも早く到着するように努める。

 ②ただちに、止まった心臓や呼吸を補助する(一次)救命措置を行う。救急車を待つ間に居合わせた人が救命措置を行うと、救命や社会復帰の可能性が2倍程度に上がることがわかっている。

 ③救急車が到着したら、救急救命士や医師は、一次救命措置と並行して薬剤や気道確保器具などを利用した、二次救命措置を行う。

 ④そして、心拍が再開したら、専門家の集中治療により、社会復帰をめざす。

 

 このように、市民⇒救急救命士(救急車)⇒医者(病院)と、「命のバトン」を途切れないように繋ぐことが、「救命のリレー」だ。

 

勇気を持って一歩を

 心臓が止まると、15秒以内に意識が消失し、34分以上そのままの状態が続くと脳の回復は困難になるそうだ。昨年、救急車を要請してから現場に到着するまで、全国平均で835秒かかっている。いかに早く市民による一時救命処置が行われるかが、生死を決定するもっとも重要なファクターになっている。

講師は「救命リレーのスタートは市民の皆さんから始まります。勇気を持って一歩を踏み出してください。」と語っていた。


救命講習の日程・申込み

 救命講習は市内8カ所の消防署でそれぞれ月1回程度開催されている。

 日程の確認・申込みは、下記川崎市ホームページで。 

 

  http://www.city.kawasaki.jp/840/page/0000074679.html

 

 

 

 

 

 

川崎市多摩消防署
松井 洋一
シニアリポーターの感想

 胸骨圧迫は、圧迫する位置・強さ・テンポなどが重要で、実施にはかなり体力を使う。AEDの使用法は簡単だが、緊急時に手順通り対応できるのだろうか。一度、体験することが大切だと感じた。家族や身近な人の、もしもの時の対応にも「市民救命士」になってみませんか。
 また、「AEDマップ」の検索で、近くのAED設置場所を確認しておくこともお勧めです。