3人の力士が、朝稽古をしていた。稽古後のストレッチで、150キロの力士の体が軽やかに開脚する。体の柔らかさに圧倒された。2017年6月現在、神奈川県唯一の相撲部屋として、幸区に開設された。
「親父は口下手なので・・」
中川親方の息子さんが、参加者の質問に説明してくれた。
(質問)この場所を選んだ理由は
(答え) 土俵を作れる土地がなかなか見つからなかった。標準サイズの土俵は、約30トンの土が必要だ。ところが、トラックが部屋の前に駐車できず、人海戦術で土を運び入れた。昨年7月にようやく稽古場が完成し、秋場所から大相撲に初参加した」との苦労話も交えた相撲部屋の経緯を披露した。
(質問)土俵の土は交換するのか?
(答え) 古くなると交換する。国技館や地方巡業先では、場所ごとに土を入れ替えて作り直している
力士から「ちゃんこのお替りどうぞ」
朝稽古は、毎日午前8時から10時30分まで行われ、それから朝食が始まる。見学者にも振る舞われた。キノコや白菜、ネギなど野菜たっぷりの味噌ちゃんこは、あっさり味だった。あちこちで「美味い!」との声が上がり、ちゃんこやご飯のお替りで、力士たちも大忙しだった。
合間に、「体重は何キロ?」「稽古は一日どの位やるの?」「毎日、ちゃんこ鍋ばかりで飽きないの?」等の質問に、戸惑いながらも力士は丁寧に答えていた。
「なぜ男性は、相撲が好きなんでしょうね?」隣席の男性は「僕らの年代は、相撲で遊んでいたからじゃないのかな。地面に円を書けば、即土俵!夢中になってよく遊んでたなぁ・・もっとも中学生になったら、色気が出てきて、やらなくなった」 周囲の男性たちも食べながら頷いていた。 中川親方の名前を審判員の中で見つけたという男性もいた。
中川部屋
所在地:神奈川県川崎市幸区南加瀬5-7-2
所属力士 8名
朝稽古は、まだ非公開とのこと
http://www.sumo.or.jp/ResultRikishiDataSumoBeya/detail/?id=
10012
朝稽古後のストレッチ
文字盤が干支の柱時計
お待ちかねのちゃんこ鍋は、あっさりした味噌味でお替り!
テレビでは見慣れていたが、真近かで力士を見たことがなかった。髷の艶やかな濡れ羽色に見惚れていた。若い力士たちの活躍を期待したい。
熱心にメモを取る男性に声をかけたら、神奈川新聞社の取材記者だった。
中川部屋近くの友人たちに、相撲部屋の話をすると、一度見学したかったと悔しがる。相撲は、男性だけでなく女性も興味深い世界だと分かった