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介助犬「ダンク」と「ソラ」の仕事

取材日 2016年07月22日(金)

さあこれから
さあこれから
ソラとダンクが訪問した場所。川崎市立多摩病院
ソラとダンクが訪問した場所。川崎市立多摩病院

介助犬とは

 介助犬は、からだに障害がある人に付き添い、落ちたものを拾う、ドアを開けるなど、その人の活動の手助けをするために特別に訓練を受けた犬のことです。また障害者が転倒して起き上がれないときに、電話を取ってくる、人を呼びにいくなど、緊急時の連絡を手助けするのも介助犬の大きな仕事です。

 日本介助犬協会によると、介助犬になるための適性は、人といっしょにいることが好きで、楽しみながら介助作業ができるかということでした。

 また介助犬はいつも働いているわけではありません。使用者の指示があった時だけ仕事をして、それ以外はくつろいだり使用者に甘えたりして普通のペットと同じように過ごす為、働く事が大きな負担になることもありません。したがって、「はたらく犬は寿命が短い」ということはなく、定期的な健康チェックがしっかりとされているため寿命は一般のペットと変わらないのです。

 

この日の活動

 この日は、訓練犬「ダンク」と「ソラ」(ラブラドールレトリバーの雄犬で2才)が川崎市立多摩病院の食堂・談話室、病棟を回り、入院患者の方と触れ合いました。長く入院されていると思われるある方は「ダンク」と接するうちにその表情が柔らかくなっていくのがわかりました。こどもたちの病棟では、病院に犬が来たということで、にぎやかな声でいっぱいになりました。周りから見ていても人と一緒にいることが心地よさそうで、両頭ともたくさんの人の輪の中で嬉しそうにしていました。

病棟を回る活動の後は、病院関係者等を対象に介助犬についての講習会が開かれました。「作業指示」のデモンストレーションでは、指示された内容を完璧にこなしたことで「ダンク」は大きな拍手を受け、講師の説明の間はおとなしくからだを休めていました。

 

これからの課題

 「身体障害者補助犬法」が平成14年に施行され、それまで認められていなかったデパート、スーパー、飲食店などの一般の施設や公共施設、交通機関に介助犬等を同伴して立ち入ることができるようになりました。しかしまだ一部の施設では受け入れを拒否されることがあります。こういった施設に対して、粘り強く交渉していくことが日本介助犬協会の課題のひとつでありこの日の多摩病院での動物ふれあい活動も病院への同伴拒否がなくなることを目指した日本介助犬協会の活動です。

また介助犬の育成には大きな費用がかかり、現在これを寄付のみでまかなっていますが、財源の確保も重要な課題です。

 

日本介助犬協会への支援・寄付・ボランティアなどについては以下の所にご連絡ください。

社会福祉法人日本介助犬協会

 〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-5-9 新横浜フジカビル3

 TEL  0561-64-1277  FAX 0561-64-1278

  ホームページ http://s-dog.or.jp/

  E-mail  info@s-dog.jp

(参考)

 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室

 ホームページ 補助犬(介助犬等)についての国の政策http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/hojyoken/

いざ出陣!

いざ出陣!

人の中にいることが楽しい

人の中にいることが楽しい

介助犬デモンストレーション。靴と靴下を脱がせ、靴下を脱衣かごに入れる

介助犬デモンストレーション。靴と靴下を脱がせ、靴下を脱衣かごに入れる

川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人聖マリアンナ医科大学)
新谷昌己
シニアリポーターの感想

 ある障害者の方が、車いすから落ち、倒れたまま誰にも気付かれない状態が長時間続いたということがありました。このような場合、介助犬がそばにいれば、指示することにより携帯電話を持ってきてくれ、すぐに助けを呼ぶことができます。また介助犬が同伴することにより、外出することが難しいという方の活動範囲が大きく広がり、社会参加の機会が増えるという効果もあります。
 現在日本で活動している介助犬が73頭いますが、介助犬を必要とされる方は約15,000人といわれており、まだまだその数は足りない状況です。多くの方の協力が得られ、介助犬の育成に役立てばよいと思います。

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